小谷周平。やりたい事、失ったものとか

「小谷周平」で検索すると、以下のようなサイトやブログがまだいくつか出て来る。と言うかずっと残る。

小谷周平容疑者ストーカー容疑で逮捕【動画・画像アリ】女性宅に窓ガラスを割って無断侵入、そのまま部屋に滞在、帰宅した女性と鉢合わせてもみ合い。ハンマーや火薬所持しており、女性を巻き込み自殺する予定だった!? | エレボスちゃんねる

 

このブログにおいては裁判や事件のこと、被害者との関係に繋がりそうな一切のできごとについては全く触れないつもりだ。

今回、事件を起こしたことで失ったものはたくさんあった。家族との関係や友人、ギター等の財産などである。要するに社会的信頼というやつだ。陳腐な言い回しを拝借すれば、一度失った信頼を取り戻すのには膨大な時間がかかる事だろう。自分がやってしまった事、自分が悪いのだから当然の報いである。

 

昨日は吉祥寺のエクセルシオールで永遠うだうだやっていた。と言うか、東村アキコ先生のマンガ読んで泣いたり、音楽聞いて泣いたり、届いたメール内容を反芻しては泣いたり、泣いてばっかりだった。変なおじさん同然である。

 

というのも、返事は来ないであろう迷惑をかけた相手にメールを送ったら、その人たちから返事が来たのだ。どのように迷惑をかけたのか。彼らは当時僕に救いの手を差し伸べるのが憚られるような立場にありながら、僕に救いの手を伸べようとしてくれていた。いや差し伸べてくれた。馬鹿な僕はその手を振りほどいて、事件を起こした。

結果、彼らの周辺の人間関係は損なわれた、というのはその返事を読んで初めて知ったことであった。僕がめちゃくちゃに壊したのだ。みんなで仲良くやっているだろうから、けれどこれはちゃんとやりますという内容だけでも伝えたかったという個人的な理由は、結果的には満たされなかった。伝える事はできた。

しかし、僕は自分の想像力の乏しさを呪った。「僕のことを憎んでいるかも知れませんが」的な態度の僕の文章に対して、彼らの返事の内容は「あの時は怒っていた」というものであった。が、予想に反して彼らは僕を憎んでいるどころか「今はそんな風に思っていない」むしろ「この気持ちを話したのは、責めるためではなくただ伝えたかったから。小谷はキラキラ輝くように生きていって欲しい」とあった。

彼らは、期待を裏切るように(2通送ったというのもあるが)僕を無視したり、あるいは恨みがましい言葉をぶつけてくれたりはしなかった。むしろ、僕の出所を、社会復帰を激励してくれた。連れ合いの人からは、力になれなかったことの自分の無力さを嘆いたり、食事がメンタルに及ぼす影響とその助言についてつぶさに綴られた文が届いた。

 

胸のつっかえがとれた。そしてメールを受け取った翌日に涙や後悔の念は押し寄せてきた。期待に反して彼らは僕を責めてはくれなかった。そのことが逆に胸につっかえて、苦しかった。嬉しさの涙もあった。でも、お互いに立場上、もう顔を合わせることができなことを了承したメールのやり取りであっただけに、悲しくて泣いた。

彼らが、とうの昔に僕のことを許していたという事実が僕を苦しめた。

苦しめている。

けれど、これは彼らからの贈り物であり、彼らからの最後の愛だと思った。

僕にはこれからの人生があり、心配してくれていた僅かな友人たちとの関係も残ったのだから、彼らに何か恩返しや償いができるとしたら、しっかりと生きることだなと思った。強くそう思った。

 

刑務所では、少しずつうつっぽい症状から回復してきた。新しい友達や「将棋」との出会いも大きかったように思う。僕は音楽活動も少しずつ再開して行きたいと考えている。また、刑務所では15年続けて2年前に止めた日記も再開し、文章書くことが改めて好きだ(僕は言葉の力というものを信じている)ということを思い出した。

願わくは、年内に私費で本でも出版しようか、などと考えている。注目されないだろうし、少ない人たちには叩かれるかも知れない。でも、ここに記したこと以上に事件、刑務所生活を経て思ったこと、感じたことが山のようにあるのだ。

自分の人生の奇跡として、それらをまとめておかなければという感情が湧いて来た。これは創作意欲というやつだ。今月中には原稿にとりかかろう。とりあえず、今週中には新しい部屋に入居できそうだから、とりあえず、すべてそれからだ。

 

改めて、迷惑をかけた人たちには(家族とは切れてせいせいしている。向こうも)償いをしなければ行けないと思うし、自分は心配してくれた人たちのためにはしっかり生きなければと思う。

父とだけはかろうじて連絡を取り合っており、その父から受けた「周りを平和にするような人間に育って欲しい」という願いのこもった名前に恥じない生き方をしようと思う。

友人や父にはこれからも温かく見守っていただければ幸いである。

 

小谷周平