湯を沸かすほどの熱い愛

 最近また、レンタルDVDも含めてちょくちょく映画を観賞している。ダニエル・クレイグが主演になってからの007シリーズはスカイフォールまで見た。なかなか面白かった。あとはローンサバイバー。鬼気迫る銃撃戦だった。

 

 昨日は新宿まで出て行って、友人が勧めてくれていた『湯を沸かすほどの熱い愛』を観て来た。あれ、宮沢りえってこんなに魅力的だったっけ、子役も演技すげえな、など胸を震わせるシーンも多い素敵な映画だった。先に言ってしまうけど、この映画が今年の1番です。

 

 この映画、実はポスターだけは毎日見ていた。小谷は出所後、2日に1回は銭湯(行かない日は拭身)に行っているんだが、どこの銭湯にもこの映画の宣伝ポスターが貼ってあるのだ。さて、物語は宮沢りえ演じる主人公が末期のすい臓がん(全身にも転移)であることを告げられるところから始まる。主人公、双葉はいじめを受けている娘でも学校を休ませようとしない気丈な母。二人のやりとりは最後まで目が離せず、ラストで僕は泣いてしまった。

 

 「母の不在」なんて切り出すと、いかにも「フロイト読んでるんですね」的な評論になってしまうけれど、登場する子供たちにはとにかく全員共通して母親の存在が欠如している。まあ、今回はこれが物語の鍵な訳だけれど、徐々に家庭の事情が明らかになっていく手法はベタではあれでも、やはり感動を導く王道だ。僕もこの辺の手順(←将棋的表現)は、自分の小説に是非取り入れたい。

 

 宮沢りえは、こんなかあちゃんいたら素敵だな、と思わせるような気合いの入った繊細な演技をしていた。はっとさせられた。小谷は出所後、実母との縁が切れたが色んな母子の関係があるもんだ、と感慨深かった。双葉のようなかあちゃんだったら、もっと違った生活をしていただろうか。きっと僕はもっときつく叱られていただろうな。

 

 

 今日は部屋を掃除し、片付けたりした。刑務所で友人たちから届いた手紙を引っ張り出してきて眺めていた。送ってくれた友人は全部で4人だけど、すべて合わせた総数は15通を超える。メールやLINEでの通信が当たり前のこの時代、自筆での真心のこもった熱い励ましの手紙ばかりで、彼らからの熱い愛を思い出すのだった。小説は私小説風なので、「主人公が刑務所での厳しい毎日打ちのめされる中ある1通の手紙が・・・」というシ場面・展開も盛り込むつもり。なかなか進まないが楽しみだ。

 

 来週、徳島に帰った1名を除いて手紙を送ってくれた友人3人と一同に会す。吉祥寺の新小谷邸で面識のない者同士も合わせちゃう。刑務所でずっと食べたいと思っていた鍋にしようと思っている。この季節熱い熱い鍋でもつつきながら、絆を確認しつつ体の芯まであったまちゃいましょう!