東京タラレバ娘

 最終巻も発売されちゃったので、物語は完結しちゃいました。まあ、結末は読者も納得の終わり方だったのでは。昼ドラタッチな気もしましたが、結婚推進運動している訳ではないと豪語する作者は、みごとに女子会ばっかりやっている女の滑稽さや痛々しさを描きつつ、それでも「楽しいからよ、何がいけないの?」と女の強いエゴを描き切っていいて、そこは東村アキコ節。さすがです。でも小谷は個人的には「かくかくしかじか」の方が好き。

 

 ただこの作品の影響力がすごいのは、これで必死で婚活始めちゃう人がいたりする所である。「自分を大切にしてくれる恋人ができるか」「結婚して幸せになれるか」「この人でほんとに間違いないか」など、恋愛とそれに付随する結婚などのテーマが彼女たちにとってはそのまま死活問題であることを、男にも分かり易くコミカルに描いてくれている。物語自体も面白いが、それぞれの巻末に掲載されている恋愛・結婚相談コーナー「タラレBar」も必見である。

 

 恋愛と結婚をテーマに卒業論文書いた小谷にとって、『東京タラレバ娘』は言及せずにはいられない作品だった。是非、手にとって抱腹絶倒しつつ、煩悶していただきたい。