感染者ゼロ運動

 2020/04/07

                感染者ゼロ運動

 現在、弊社においてもコロナウィルス感染者・死者増加の重大性を受け止め、弊社独自の緊急事態宣言に代えて「感染者ゼロ運動」を実施したいと思います。この運動を展開するに当たって、以下のことを大前提とさせていただきます。

① 管理者・小谷や他のヘルパーは濃厚接触である。
② 現場に入るヘルパーは「ご利用者にうつさない、ご利用者からうつされない
③ 優先順位を重度訪問介護>居宅介護>移動支援の順につける

以上を踏まえて、今後の感染者ゼロ運動を具体的にどのように行っていくかを考えます。

 まず①を前提にした根拠ですが、そもそも私は管理者としておよそこの1年間半、一日も休日を過ごしたことがありません。そして、毎日サービスを行うために電車に乗っております。これは、いつか自分がコロナの蔓延している車両に乗り込む可能性があるという事です。他のヘルパーであっても同様です。その意味において「私は絶対に感染しない」ということを約束することが極めて難しいのです。ですから、弊社のヘルパーは日常的に「自分が濃厚接触者である」ことを前提とし、利用者に感染させないための努力を怠ることなく、サービスを行うように心がけています。
 二つ目の前提も同じ理由です。感染者ゼロ運動と大げさに言っても個人でできることは、手洗いやうがいの励行、サービス時のマスク着用や人に近づくこと避けるなど一見地味なことです。しかし、弊社ではヘルパーにこうした個人でできる感染症対策を徹底的に行うよう指導をしております。

 また、自覚症状の出た者につきましては、その時点で自己申告をしてもらい、自宅療養を行ってもらうという方針を採用しております。前回もお伝えしたように、もしもコロナウィルス感染の自覚症状のある者が出た場合には、代表の私も含めて、サービスを予定していたとしても、こちらからキャンセルさせていただきます。この点、充分にご理解いただければと思います。また、どうしてもサービスに来てもらえないと生活が立ち行かないという方につきましては、引き続きサービス時間を制限したり、他のヘルパーに代わってもらったり、など柔軟に対応させていただきますので、ご相談させて下さい。現在最も重要なことは「死者を出さないこと」です。そして死者を出さないために必要な事は「感染者を増やさないこと」です。この事を従業員にも、ご利用者のご家庭でも充分に理解していただいた上で、今後も良好な関係性を維持し、継続的な支援を行っていけたらと思います。

 説明が長くなりましたが、感染者ゼロ運動の一環として、キャリーラブ・ホームヘルパーズではすでに、ご利用者の理解と同意を得た上で、「平常であれば毎週のサービスを隔週にしてもらう」や、「新しいヘルパーが登録してもらった場合には、同行研修に積極的に応じてもらう」などの対応を取ってもらっています。一人のヘルパーが行うサービス量が減れば、そのヘルパーは感染のリスクが減らせます。加えて、複数のヘルパーが入れる支援体制が整っていれば、仮に一人体調不良の者が出ても、他のヘルパーが入れなくなった分のサービスをカバーすることができます。

 一部の現場では「どうしても小谷さんがいい」との声があります。これはヘルパー冥利ですが、現在の状況においてその希望の全てに応じることは最善の策ではありません。むしろ、私個人が疲弊し、免疫力が低下し、その際コロナウィルス感染症を「発症してしまう」、これは最悪の事態です。このコロナウィルスという、すでに日本でも自由に徘徊している非常に無慈悲な殺人鬼ですが、海外では10代の若者をも殺しています。ですので、万が一わたしが感染した場合、私が死なずに無事回復するという保証はどこにもありません。また無症状者よりも、有症状者の方が5~6倍の感染力を発揮するとの報告も読みました。ですので、わたしを初め他のヘルパーであっても誰一人として感染させるわけにはいきません。

 以上を踏まえて、感染者ゼロ運動では
減らしても差し支えないサービスについては、了解・同意を得た上で減らす
リスク分散のため、無理のない範囲で新人の同行研修を行う
(※新人の同行研修自体にリスクがあると考える場合には他の方法を検討する)

を基本方針としたいと考えます。また私自身も、スケジュールが緩やかになれば、現場への移動は電車ではなく自転車で行ければと考えています。また個人的な見解として、4月いっぱいは感染者数・死者数もともに増加の一途を辿ると考えています。なぜならば、ついこの間までオリンピック祭りのことで頭いっぱいだった政府と東京都は、まるで対応が後手後手だからです。現にいま、小さな医療クリニックでも「症状のある者の受診の拒否」が始まっており、これは医療崩壊の始まりです。さらに重要な点としては「肺炎で亡くなった方へのCT検査やPCR検査をほとんど行っていない」という事実が明らかになったことから、毎日報道されている死者数がすでに補正がかかった数であり、実際のコロナによる死者数とは異なっている可能性が高い事が判明しています。
 加えて、最近ではニューヨークでの事態の悪化が明らかになったこともあり、わたしはこの感染症が悪魔的な恐さをそなえたものだと認識するようになりました。わたしがもしも感染した時に、症状を改善させる薬があるか、受診はできるか、あるいは治療は行ってもらえるか。そういった一連の保証が、いまの東京には一切ありません。正確な情報もなければ充分な医療体制もないのです。

 わたしは、高齢者施設でノロウィルスが発生し、ベテランのヘルパーが感染拡大を止められないどころか、本人も罹ってしまい仕事を休む(死者はいなかった)という現場を経験しています。その経験から言っても、今回の事態は「武漢が封鎖」されたときから大変な事だったのです。政府がお祭り気分だったものを急に切り替えられないのですから、国民の意識が追い付かないのは無理もありません。ですが、弊社としては「死者を増やさない」ために「感染者ゼロ運動」を打ち出そうと考えました。海外で起きている医療現場における「命の選別」、これを私は日本で見たくありません。
 感染者ゼロ運動が、日本の医療崩壊を止めることに少しでも役立ち、助かるべき命がきちんと救われればと思います。そのため、スタッフ一同、日頃から行える最大限の努力をしてまいります。

キャリーラブ・ホームヘルパーズ  管理者 小谷周平
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